吉原の持つ性質が色濃い
ほおずきを残してゆく幽霊、 どこかに閉じ込められているおたまという少女 白髪の夜鷹、死んだ夫婦の一人娘… 切れ切れに語られる様々な謎。 その謎はどこを向いているのか、縺れた糸を解した先に見えたものは 悲しい物語、そして事件の真相だった。200ページ足らずの短い物語、 短い物語を莫迦にするわけではないけれど、 ページの薄さは、往々にして内容の薄さに繋がる… しかし、この物語はその短さを全く感じさせない。 それこそ莫迦のように分厚い物語を作り上げるのも良いが、 短くても作り出せる深い物語があることを再認識しました。 舞台は吉原、艶っぽく色気を感じる物語。 しかし、悲しい、やりきれないのは、 それも吉原が持つ性質故かも知れません。
幻冬舎
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